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STO(セキュリティ・トークン・オファリング)

  • 2024年6月23日
  • 2024年6月23日
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不動産STOの定義

不動産STO(Security Token Offering)とは、不動産ファンドの投資持分をセキュリティ・トークン(ST)として発行し、ブロックチェーン技術を用いて自由に売買できるようにする新しい資金調達方法です。STは、株券や社債券などの有価証券の権利移転をデジタル化し、オンラインで取引を完結できる「デジタル証券」のことを指します。

不動産STOの特徴

  1. 小口化のコスト低減:
  • ブロックチェーン技術により、小口化のコストが大幅に削減されます。これにより、比較的小規模な物件でも公募の投資商品として組成することが可能になります。
  1. 24時間・365日の取引:
  • STはオンライン上での取引が可能であり、投資家がSTプラットフォームにアクセスできる環境があれば、いつでも取引ができます。これにより、伝統的な証券取引所の取引時間の制約を受けません。
  1. 即時決済:
  • 証券取引所の場合、売買が成立してから数日後に決済が行われますが、STは即時決済が可能です。これにより、取引の迅速化が図れます。
  1. 高いセキュリティ:
  • 不動産STOは主に「コンソーシアム型ブロックチェーン」や「プライベート型ブロックチェーン」が用いられ、データの改ざんが困難な高いセキュリティが期待されます。

不動産STOのメリット

  1. 少額投資の可能性:
  • 高額な不動産でも小口化しやすく、個人投資家が少額で投資できるようになります。これにより、多くの投資家が不動産投資に参加しやすくなります。
  1. 手続きの簡略化:
  • STの仕組みを用いることで、手続きが自動化・簡略化され、取引全体のコストを抑えることができます。
  1. 法律に準拠した金融商品:
  • 不動産STOは金融商品取引法の規制下で適切に設計されており、法的にもシステム的にも高い安全性を持っています。
  1. 非金銭リターンの提供:
  • STを通じて、不動産投資におけるリターンとして、宿泊サービスなどの非金銭リターンを提供することが可能になります。

不動産STOの今後の可能性

不動産STOは、従来の不動産投資の障壁であった小口化のコスト低減や、手続きの簡略化により、個人投資家が少額で高額不動産に投資できるようになります。これにより、不動産市場の活性化が期待されます。また、国境を越えた取引が容易になり、海外の投資家を呼び込むことも可能になります。

2021年には、SBIグループと三井住友フィナンシャルグループが「大阪デジタルエクスチェンジ(ODX)」を設立し、三菱UFJ信託銀行が「Progmat(プログマ)」をサービスインするなど、ST取引のインフラが整備されつつあります。

不動産業界への影響

  1. 高額不動産への投資:
  • 高額不動産の小口化が進むことで、多くの投資家が投資しやすくなり、不動産投資市場が活発化します。
  1. 国境を越えた取引:
  • デジタル証券取引所への上場により、海外の投資家を呼び込みやすくなります。
  1. 多様な不動産への投資:
  • リゾート施設やアミューズメントパークなどの大型不動産への投資が可能になります。また、収益性が低い文化施設でも、非金銭リターンを提供することで資金調達が容易になります。

不動産STOは、投資家にとって魅力的な新しい投資手段となり、不動産市場の活性化に大きく貢献する可能性があります。

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